小池百合子が自民党を勝たせた

 

 第48回衆議院選挙が終わった。

 大方の予想通り、自民・公明の与党が定数の2/3を超える勝利である。

 

 「大義なき解散」ではあったが、選挙前に野党1党の民進党は、事実上の解党となった。このまま総選挙に突き進んでも敗北は明らか。国民から見放された民進党は小池百合子を頼って希望の党に合流した。

 出来たばかりの新党に野党第1党が屈辱の合流である。決定権は小池氏に握られ、踏み絵だ。”排除の論理”が国民を失望させ、流れは一騎にしぼみ、副産物として立憲民主党が誕生した。

 もし、早い段階で小池氏が代表となり衆議院選に打って出れば、打倒安部政権、しがらみのない保守政権を作る、をスローガンに戦っていればこのような結果にはならなかっただろう。判断を見誤った感がある。

 

 都知事として残るも衆議院選に出馬するも、批判はある。

 世論調査で、都知事として残れ、が60%を超え、”三都物語”で松井知事から「出馬するのではないでしょうね」、その言葉が決定を鈍らせたのか。新党を結成し代表に就いたなら、出馬しないと士気は上がらない。本気さが伺えないではないか。外野席から高みの見物と国民に受け取られても仕方ない。政権交代を目指す心意気が伝わらず、第2自民党的なものになってしまった。それなら実績のある自民党に託した方がまだましだと消去法で投票先は決まるではないか。

 希望の党が誕生した時はチャンスだった。安部政権も焦った筈である。負け数を減らすために解散に出たのが、野党の内輪もめで自民党は漁夫の利を得た。民進党の合流で野党の結束は乱れ、小選挙区では政党が乱立し、批判票が分散される形になった。

 自民党の勝ちは、消去法での勝ちだ。現に、安部政権より、誰か違う人物を総理にと望む人の方が多いではないか。


 自民党は、これからの政権運営で決しておごらず、党利党略にとらわれず、国民の方を向いて行ってもらいたい。国民の誰もがそれを望んでいる筈である。